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額田宣彦展のガタゴトグリッド

「トムとジェリー」のジェリーの住処(は、半円だけど)みたいに、大きな壁に小さく引っ込んだ四角い空間。あるいは、白い上空にスクエアの辺が連なる、たったそれだけなのに、目の動きによって、ぱたぱたと手前の面と奥の面が入れ替わる。


「額田宣彦展―追加」より


それが心地よいのは、手描きでひっぱられた線が少しブレていて均等、均質ではないからだ。京橋のギャルリー東京ユマニテhttp://kgs-tokyo.jp/humanite.html
で行われていた額田宣彦展(2/4まで)。これまでの手描きのグリッドは、ストイックだったりして個人的には少し苦手なところがあったのだが、今回は見る側に任されるゆとりがある。

しかも今回は、テンペラと油彩を使った古典的な混合技法で描かれていて、キャンバスも麻布を張ってつくられている。線は自分の意志ではなく、その布目に沿っているので、時々筆がゆるやかな丘陵に沿って昇ったり、斜面を回り込んだりみたいなことが起こるのだ。個展は終わってしまったけど、今後の展開にも期待。こういう絵は、家にかけて長い付き合いになるとすごく親しくなるものですよ。



「cecter(05-2)」2005



アートと話す/アートを話す

東京オペラシティアートギャラリーで開催中の「アートと話す/アートを話す」展。http://www.operacity.jp/ag/exh69/index.html
オープニングで見たときは、ハンドブックがちょっと難しいし、やることが忙しいなあと思った。けれど、2月5日にギャラリー・クルーズに参加してみたら、話し合いながら見るのがいいんだな。



ジモーネ・ヴェスタヴィンター「60の名前の水彩画」2001-2002


ナビゲーター1人に約20人の大人の参加者で2グループ、子ども5人で1グループと、参加希望者も高い。今日は「色・かたち・空間」からいろいろな作品を見るという趣向だ。たとえば、車の名前や従業員の名前などが描かれた水彩画が並ぶジモーネ・ヴェスタヴィンターによるダイムラー・クライスラーのポートレート。「アルファベット順に並んでいる」という観客の発見を機に、いろいろな色、手描きの文字、マットではない背景などいくつかのことに気づいていくことで、組織のカラーではなく、ひとりひとりにカラーがあるんだということに感じ入る。ちなみに社長の名前は末席だ。

ジョゼフ・アルバースの緋色の正方形の空間なども、「手前に出ている」「奥に吸い込まれる」から「こたつを上から見ているみたい」「ピラミッドを上から見たような」「たくさん部屋がある」「安定感がある」「ひっくり返したらどうなるか」などと話が弾んでいた。ふだんの生活や仕事場で「この色きれいね」「ここ少し不揃いでもおもしろいんじゃない?」なんて会話が交わされるようになったらいいよね。そのときの心のとこに灯る気持ちがいいんですよ。



フランツ・エアハルト・ヴァルター「ブロック・ブルー」1993


今後のクルーズ日程
http://www.operacity.jp/ag/exh69/events/index.html



二人の建築家ユニット「トラフ」

ホテルクラスカの部屋の内装と屋上の空間づくりを手始めに、活躍中の鈴野浩一と禿真哉によるトラフ建築設計事務所「トラフ」http://www.torafu.com/
の初個展がPRISMIC GALLERYにて2月24日まで開催中だ。
http://www.skyhouse.jp/prismic_gallery/exhibition_03.html


テンプレート イン クラスカ(目黒 ホテル クラスカ)2004 Photo by Daici Ano

オープン時に見学させていただいた「テンプレート イン クラスカ」は、クローゼットやドライヤーやカバンなどさまざまなモノを、壁にスペースをつくってパズルのようにはめ込んでしまうというアイデアが楽しい。小さな部屋でも快適だし、ものと人との関わりを想像するとほほえましい。


UDS上海オフィス 2005 Photo by Daici Ano

UDS上海オフィスも、透明板ガラスにストライプ状の模様を蒸着したミラーで目隠して空間を分けるというアイデアで手狭にならないように設計されている。

トラフの建築は、コミュニケーションやリラクゼーションを誘発する仕掛けを用意するのではなくて、すでにある、あるいは流れの中で起こる色やかたち、動きを、さりげなく気持ちを浮き立たせるものに変質させる方向にある感じがする。BankART 1929で開催される「食と現代美術part2-美食同源」展(2/24〜3/14)にも参加するそうで楽しみだ。



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