![]() 並んだ時計が同じテンポで時を刻んでいく、フェリックス・ゴンザレス・トレスの〈パーフェクト・ラバーズ〉ばりに、ただ2つの照明が並んだ作品。隠された特殊効果があるのかは知らないが、電球の明度と部屋の暗さが一致していない気がして、軽い吐き気をもたらしてくれる。2つの玉がならぶ意味は、無論○○ ![]() かつてエド・ルッシェがヨーロッパの上品なホワイト・キューブを甘いチョコレート絵画で覆い尽くしたように、コーにとってのスイスは、ホワイトチョコでコーティングされたアルプスのような巨大な2つのマッス〈無題〉に集約される ![]() コンテンポラリーアートに定番の手法と、消費文化のシミュラクルといった通俗概念の、ホワイト・アウト。対照的に、コーのオカルト集団のセックス・イニシエーションとオルタナ・ライブを融合させたようなパフォーマンスは、タールのような闇に沈み込んだ少年たちの精悍な半裸を、ホモ・エロティックに浮き立たせる。 ![]() カラヴァッジェスキのヴァニタス/ロルフ・ディータ・ブリンクマンの「Rom, Blick」における、ローマ帝国時代の地下墓地。壁をつたって、同じパターンで並べられたおびただしい頭蓋骨、腕と足は縦横に支柱となり、天井をも埋め尽くす髑髏は、1つの室内インテリアと化している ![]() 骨相学と法衣の襞、分割されてなおもそこに非・階級性を帯びた、装飾の結晶。魂の焼亡、アレゴリーと象徴の相殺という、二重の空洞化/インスタレーションのセクシュアライズ ![]() 塗料と重油みたいな臭いがして、ふたたび吐き気をもたらしてくれる。 テレンス・コー:1978年、たまに1977年、1980生まれ。北京出身、幼少時代を京都に過ごし(?)、カナダに育つ。しかし、シンガポール出身の36歳という説もあり。オノヨーコと草間彌生に影響を受けており、日本への関心も高い。建築家、ザハ・ハディッドのもとで働いた経験をもつ。アイスランドでの生活を経(?)、現在、ニューヨーク、ベルリン在住。アートディーラー、ジャヴィーア・ペレスがロサンゼルスのチャイナタウンにオープンさせたギャラリーのこけら落としとして、地下室にアルビーノの真っ白なインコを2羽展示するという、衝撃的な作品で2003年にデビュー。その後、かつての「L.A. Look」のようなまばゆいミニマリズム的トーン、そしてディータ・ロスやウルス・フィッシャーに近い疑似ブリコラージュ、流体的かつダイナミックなインスタレーションのセンスによって、一気に名を広める。2004年、その年の収入が15万4000ドル(約1800万円)であったとサイトで公表。2007年、ニューヨークのホイットニー美術館での個展も果たし、現在、フランクフルトのシルン・クンストハレでの個展を控えている。 Three images from the top: Terence Koh. Extracted performance images from “Sprung Kopf” (2006). Courtesy: Peres Projects, Los Angeles Berlin 画像、上から3点全て: テレンス・コー、「クラックヘッド(2006年)」Courtesy: Peres Projects, Los Angeles Berlin The remaining three images: Terence Koh, “GOD” (2007). Mixed media sculpture. Plaster, wood, wax, paint, Eros lube, artist’s saliva, cum of the artist and others. (Apostles) 12 skeletons, wax, sugar, sake, absinthe, cognac, champagne, artist’s piss and others. Courtesy: de Pury & Luxembourg, Zurich. Photo by Alexis Zavialoff. 画像、それより下の3点全て: テレンス・コー、「神(2007年)」ミクストメディア(石膏、木材、ワックス、絵具、潤滑油、アーティストの唾液、精液その他) *12使徒のスクラプチャー:骸骨(12体)、ワックス、砂糖、日本酒、リキュール、コニャック、シャンパン、アーティストの尿その他)Courtesy: de Pury & Luxembourg, Zurich. Photo by Alexis Zavialoff. All of the images are attributed to and copyrighted by the artist himself and the respective galleries. * 全ての画像はアーティスト本人および個々のギャラリーの権利に帰する。転載禁止 (「美術手帖」2006年12月号に掲載されたものを、加筆訂正の上、掲載した。) |







