LOAPS対談#001 野尻佳孝氏 vs ヒロ杉山氏 第二回 (2/2)
ヒロ杉山氏(以下H): 野尻さんがこういう事をはじめたということは、みんなへのキッカケになりますよね。
ライフスタイルにアートは絶対に必要不可欠だと思いますよ。
今までずっと日本にアートマーケットがないと言われてきて、アーティストが成功するには海外で売れないとダメだという現実がありましたが、国内でコレクターが増えてきたり、ある程度事業で成功した人たちが買うという事がアートを盛り上げることになってくると思うんですよね。
野尻佳孝氏(以下N): みんなに「これからアートにハマろうぜっ!」て言っていきます(笑)。
でもお金持ちじゃなくてもいいんです。30万円のヴィトンのバッグは買うけど、30万円の絵は買わない。そういう事でも少しずつでも変わっていけばいいなと思いますね。生活にアートを取り入れていくって事が大事なんです。
H: 絵を所有すると、心のゆとりができるんですよね。すごく極端な話、アートなんて生活に必要ないものじゃないですか。それにわざわざお金を出して部屋に飾るという心のゆとりが生まれますよね。
N: みんなが私の家に来ると、いろいろな絵や写真が飾ってあるので、「なに?ノジ?」みたいな会話から始まるんです。次の言葉はみんな出しませんが、多分なにかしら感じてると思うんです。「ノジなにやってんの?なんでこんなに一杯あるの?」って。
あれは多分、「野尻がやってる事だから。」と思ってくれてる人がいるのか、「バカじゃないの?」と思っているのかわかりませんが、何かしら感じ取ってると思うので、どうにかして、アートに携わる若者たちがふえるようなスタイルを作りたいですね。
H: これから世界に向かって行く野尻ビジネスとして絶対アートは重要なのではないですか。
N: そう思います。今回NYへ行って思ったのですが、これからNYで勝負しようという時に、ただの日本で成功したベンチャー企業がNYに、というのではなくて、世界に通用するアートビジネスとかアートに関わりがある人間であるという打ち出しの方が全然取り扱いも違うしと思います。
H: 多分来てくれるお客さんにも響いていくと思いますよ。
N: 世界の共通部分はいろいろありますが、その中で特に先進国であればあるほどアートに携わることの必要性がとても高くて、そういう意味では、世界のステージに立つときにアートに携わることで、入り口が広がるのかなと思っています。
H: NYに行かれて、街をアートがつくってると感じたんじゃないですか?
N: はい。チェルシーからソーホーまでぐるぐる歩き回ってなんてアートが浸透してる街なんだ?と思いました。今ロングアイランドが開発されようとしていて、何もなかった場所が、たまたまアーティストが「ロングアイランドっていいよね。」と言うだけで土地の値段が沸騰しようとしてるじゃないですか。だからNYの街の地価をアートがひっぱってるんじゃないかとさえ思えまして。
H: そうですね。ギャラリーが移動して、なんでもない倉庫街がいつのまにかオシャレな街になってたりしますからね。
N: チェルシーなんて10年前はとても地価が安かったじゃないですか。それが今何倍にも上がっています。そう考えるとアートの権威力は特に海外ではすごいなと思います。
H: また日本のアートをビジネスに使えるアイデアが野尻さんというのがいいですよね。
アーティストにとっては野尻さんのような存在は嬉しいですよね。
N: それほどの影響力がまだないので、仕事もがんばりながら平行してアートも盛り上げていきたいなと思います。
私のはじめたギャラリーT&G ARTS(※3)のオープニングパーティの時「ART IS DEAD」というコンセプトを掲げました。ドレスコードも喪服にして、「これからアート革命起こそうよ、日本人はもっとアートに気楽にいこうよ。」と。私のようなアートに無知な人でもアートに携われる、それが一番いいのかなと思います。アートは敷居が高い感じがしますので。「もっと気楽でカッコ良く!」という感じになればいいと思います。
H: 世界のアートフェアへ行くとオープニングパーティでお年寄りもきています。もちろんアート関係者もいますが、一般の人たちも普通に来て、「この絵いいね」と言って買って行くんです。
N: アートはコミュニケーションだと思います。「この絵は何?」というところから会話がはじまったり、友人の家を訪問したときに「これは何?」みたいな言葉が生まれますよね。海外ではそうやってアートからはじまるコミュニティがあると聞いていて、日本でもできるといいなと思います。
LOAPS: それではお二人からLOAPSの若手アーティストへのメッセージをお願いします。
N: これからアートに関わるビジネスを広げていきますし、建築物や不動産など色々と手掛けて行く中で、あらゆるアートを入れていきたいと思っています。高級なアートでなくても、何かオモシロイものがあればどんどん取り扱わせていただこうと思っているので、ぜひ、「これこそは!」という作品があればお便りおまちしてます。
H: 日本の状況はどんどん変わってきていて、野尻さんみたいな人も出て来て、これからアーティストにとってより良い環境が整っていくと思います。だから今頑張れば頑張っただけの成果が出る時代だと思うので、死にものぐるいで、命をかける気持ちで取り組んでください。ボクもがんばりますから。
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