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LOOKERS INTERVIEW No.015(2/2) 


LOAPS:小柳さんは多くのプロジェクトを同時に動かされていると思いますが、今、どのようなプロジェクトをされているのでしょうか?
次回のヴェネツィア・ビエンナーレでソフィ・カルがフランス代表に選ばれました。彼女のプロジェクトは、当初ある日最愛の恋人から来た「別れの手紙」の意図を彼女はどうしても納得する事が出来ず、精神科医や国語教師などに分析を依頼するという企画だったのですが、今回のヴェネツィアではさらに、映像を加えるために、バレリーナやオペラ歌手にその「別れの手紙」を読んでもらい、その印象をそれぞれに表現してもらう事となりました。中には女優のジャンヌ・モローが朗読するシーンもあります。そこで、同じように日本でも何か出来ないか?と打診され、文楽とのコラボレーションを思いつきました。知人の豊竹咲甫大夫さんに相談したところ、大変に興味を持って下さり、そのフランス語の「別れの手紙」を浄瑠璃仕立てにして下さったのです。ヴェネツィアでの発表が今から待ち遠しいです。
いろいろな苦労もありますが、そうやってアーティストの信頼を得られた時は、ギャラリストとしても本当に嬉しいですよね。



LOAPS:ビジネス的な側面だけでなく、クリエイティブな側面でもアーティストを支えられているんですね。
支えているというより、応援をしているという感じですね。元々、アーティストというのは、私にとってはある種の憧れなんですよ。アーティストというのはビジネスの対象であり、憧れの対象であるわけです。その彼らの表現の現場を共有し、目撃できるという事が現代美術の最大の醍醐味であり、喜びなんですよ。
LOAPS:小柳さんに育てられた日本人アーティストが今、世界中で活躍されてますが?
育てられたというのは間違っていると思います。ギャラリーに育てられたアーティストというのはダメですよ。やっぱり活躍しているアーティストは、もともと放っておいても出て行く人達ですよ。よくそのあたりを勘違いしてギャラリー小柳で扱ってもらえれば国際的になれると思っている方がいらっしゃいますが、アーティストとギャラリストの関係はあくまで五分五分でいたいですね。老若男女関係なく、「一緒にやりましょうよ!」という事です。
LOAPS:小柳さんのところでは杉本さんやソフィ・カル以外にも若手では(※)束芋さんなどが大活躍をされていますよね。
彼女は始め、スタッフの一人が一足先に出会って、とても面白いアーティストだからと紹介されたんです。作品はもちろんですが、なにより彼女本人に強烈に人を引きつける魅力がありました。当時、彼女は20代前半だったと思います。



LOAPS:今の時代、アートの流れも非常に変化が激しいと思いますが、これからの時代、どのようなアーティストが時代に必要とされると思われますか?
こればっかりは分かりませんね。全く予想もつかないアーティストが生まれてくるかもしれません。そこが面白いのです。
それと現在、アートも多様化してきていますから、ギャラリーで発表して作品を売っていくというのが唯一のアーティストの生きる道というわけではありません。たまたまうちでは、マーケットで取り上げられているアーティストが集まった事もあり、そのような傾向になっていったのですが、私自身は始めはマーケットを強く意識していたという事ではなかったですね。本当に良いものを本当に好きな人にお渡しできたらと思っています。
国際的なマーケットで高い値段で取引されるようになると、当然注目を浴びていく事になると思いますが、それがなにもゴールや成功の証とは思いませんね。そのような注目のされかたをしなくても、自分の立ち位置を掴み、良い仕事をしているアーティストは沢山いるんです。例えば、うちのアーティストでも内藤礼さんや堂本右美さんなどは国際的なマーケットと関係なく、確固たる良い仕事をされています。
LOAPS:最後に、LOAPSのアーティスト達に一言お願いします。
まず、当たり前ですが第1に良い作品を作ってないといけませんよね。あと先ほども言ったようにギャラリストとアーティストの関係というのは五分五分ですから、ギャラリストがアーティストを選ぶように、アーティストもギャラリーを選ぶ事が重要です。自分の作品の傾向を把握して、そのギャラリーのアーティストのラインアップはどうか、どのような方針でやっているのかなど、きちんと見極めて慎重に自分に合っているギャラリーを選ぶ事です。やはり、自分に合ったステージで発表していく方が認められるチャンスが多いでしょう。そのギャラリーが有名だとか、国際的に話題だからといった程度の動機ではかえって逆効果です。
LOAPS:実際に小柳さんに作品を見てもらいたい人はどのようにすればよろしいのでしょうか?
作品のポートフォリオを送って下さい。ただ、返却しなくていい状態でお願いします。定期的にスタッフ全員で送られてきたポートフォリオを検討し協議します。非常に沢山の方が送ってきますので、こちらの企画方針に合うと思われる方のみ、こちらから連絡を致します。
LOAPS:どうも有り難うございました。





注)ソフィ・カル:現代美術作家。不遇な子供時代を過ごし7年間世界を放浪した後、カメラを手にして見知らぬ人を尾行しながら写真を撮りはじめる。80年から作品を発表。自身の生活や他人を追跡調査した結果をもとにストーリーを組み立て、演出したものを写真と文章の組み合わせで表現。

注)束芋:現代美術作家。1999年、手描きのアニメーションをコンピューターで映像化した「にっぽんの台所」で注目を浴びる。サンパウロ・ビエンナーレや横浜トリエンナーレなどの国際的な美術展に数多く参加している。





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