LOOKERS INTERVIEW

SPECIAL INTERVIEW

LOOKERS INTERVIEW No.002 (1/2)



風とロック代表 箭内道彦氏

クリエイティブディレクター。90年卒業後デザイナーとして博報堂に入社。96年CMプランナーに転向。2003年「風とロック」を設立。CMプランナー、アートディレクター、プロデューサーのすべてを同時に兼務するひとり広告代理店。タワーレコード「NO MUSIC, NO LIFE.」など、次々と話題の広告を手掛ける傍ら、裏原宿でファッションブランドを展開するなど、様々な分野に活躍の場を広げている。
LOAPS:箭内さんは美大出身ですが、アートをやられていたんですか?
ボクは元々美大出身なんですが、「アート」がキライだったんです。周りはみんな「アート、アート」って言うもんだから(笑)。
結局アートってみんなに解らないもの、理解されないもので、解る人だけが気持ちいいみたいな。そういうのが嫌いだったんです。
アートの閉じた世界に対する反発で広告に行きました。広告はたくさんの人が解らないといけないので。
LOAPS:広告業界は「面白そう!」というイメージがありますが、実際はどうなのでしょう?
ボクはずーっと広告の仕事をやっているんですけれども、広告業界ってすごく狭い世界で作ってるんですよ。表現方法も、話法も。
100パーセントある可能性の中の2パーセント位でやってる。広告業界は国土交通省より保守的(笑)。実績がないものには絶対に手を出さない。
何かで上手くいった人とか、実績を見て手を出してくる。それで、みんなで寄ってたかって人気者にして、ある時使い捨てにしちゃったりするんですよね(笑)。相当悲しい話なんですけど。
LOAPS:それは意外です。その中で箭内さんはどういう動き方をされて来たのですか?
だからボクは地上波では宇川直宏君に初めて演出を頼んだり、辻川幸一郎君に頼んだり、タナカカツキさんに頼んだり。それが楽しい。
それで業界の人はボクがやってみて、上手くいくか確認してるんですよ。上手くいくとみんながその人に発注してくる(笑)。ボクはいわば広告業界の毒味役みたいなもんですよ(笑)。だから広告業界にも毒味とその流儀を教えて行きたいって思ってるんです。
LOAPS:箭内さんの中での変化はありますか?
でもボクが広告界業界の毒味役として起用してきた人達はみんなアーティストであったりアーティスト気質の人達だったんです。だからボクがCMや広告をやっていくうちにどんどんアートに近づいて行ったんですね。アートへの反発やコンプレックスから逆の意味で「広告がアートでも面白いんじゃないか?」って思いはじめたんです。
ボクのような動き方をする人がもっと広告業界に増えていくと、いずれ広告が逆にアートに合流するんじゃないかな。CMってタレントをよく起用するけど、タレントのもうひとつの形がアートになったらいいですね。樹木希林も上戸彩も1枚のペインティングも同じ扱いで広告になったら面白いなぁと思います。





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